■目次
ギター自作その3「フレット溝切り・ナット切り出し・指板接着など」
ギター自作その4「指板整形・フレット打ち込みなど」 ←今ここ
ギター自作その5「ヘッドネック・ブリッジテールピース・ナット溝切りなど」
ギター自作その8「ピックガードやノブの製作・キャビティの座繰り」
ネックと指板の接着が完了しました。クランプを外しても強固にくっついています。
あらかじめ広めに作っておいたネックと指板の幅を削るため、図面の通りに削る部分を白色鉛筆で印をつけます。
その辺に転がっていたMDF板の端を直線ガイドにして、コロ付きストレートビット(直径10mm長さ25㎜)で削ります。トリマーで外周を削るのは初めてですので非常に緊張します。まずは試しに一部だけ。
冷たい汗をかきながらどうにか目標のネック幅を削りだせました。予想をはるかに超える獰猛なトリマーの振動と騒音のおかげで精神的にかなり疲労します。
上手くいったかのように見えましたが、やはりガイドを超えて深く削り過ぎてしまった部分がありました。ネックシェイプの削り出しで目立たなくなることを願います。
うっかり想定ミス。18フレット以降がボディ上に乗る設計でした。
つまり、これではトリマーで削れません。
しょうがないのでフレットソーやヤスリ、スクレーパーなどを駆使して地道に削ります。
どうにか削れましたが、タイトボンドによって強固に固着された接合面はなかなか削れませんでした。ここまでで断念。
続いて指板のR整形に入ります。エレキギターの指板にはR(曲面・カーブ)が設けられているものですので、それをあらかじめRが付いたサンディングブロックに貼った紙ヤスリで整形するんですね。端材などを組み合わせて、サンディングブロックが真っすぐ動くようなレールを作ります。
サンディングブロックに紙ヤスリを貼ります。後で剥がせるスプレー糊で貼り付けました。
購入時からの傷がなかなか消えません。aimokuのカットは本当にラフカットです。
2時間ほどかけて傷が消えるまで表面を削りました。ヤフオクで安価に購入したサンディングブロックがの造りが雑で、左右非対称であったり、直線でなかったのが誤算でした。また、40番や60番の粗いサンドペーパーで削ったのですが、10こすりしたぐらいでペパーのザラザラ粒子が取れて全く削れなくなります。それに気づかずに同じペーパーで延々と無駄な研磨を行っていたのが時間の浪費でした。10こすりするごとにサンドペーパーを切って糊で貼って、という作業を繰り返すのがかなりストレスでしたね。まったくエボニーという木は硬い。
その後350番で磨き、600番で磨き、800番で磨いたりしてツルツルすべすべの指板になりました。ただストレートエッジで指板面を見るとやや逆反り風に湾曲しています。これ以上頑張っても直線を出せそうにないので、あとはフレット擦り合わせやロッドで直線を目指そうと自分に言い聞かせここで指板研磨終了とします。
フレット打ち込む溝に指板削り粉が詰まっています。このままではとてもフレットなど打ち込めない凝縮度で詰まっているので、フレットソーの端っこで書き出します。写真右側3本の溝が粉をかき出した後の状態。
全ての溝から削り粉をかき出しました。この粉も採取しておきましょう。
ナット溝の端が欠けてしまいましたので、タイトボンドで補修します。なかなか上手くいきませんね。
フレットのポジションマークを入れるための穴を開けていきます。指板のサイド部分にマスキングテープを貼り、そこに印などを書き込んでいきます。マスキングテープを貼った方が綺麗な穴が開くものです。
ボディが干渉して指板側面にドリルが入らないため、17フレット以降は指板上面にポジションマークを入れることにします。演奏性に支障をきたさぬよう6弦側に。ネックとボディが分離しているギターならいざ知らず、本器は最初からくっついているのでネック周辺加工に制約が多いです。
念のためテストとしてエボニーの端材にポジションマークを入れてみます。ポジションマークには竹串を使いました。焼き鳥や串カツなどに使う何の変哲もない料理用竹串です。ばっちりですね。
竹串と同じ太さのドリルで穴を開けます。穴が深くなり過ぎないようにドリルにテープを巻き、「ここまでの深さまでしか穴を開けてはダメ」という目印にします。
無事に穴開け完了。12フレットはナットからブリッジまでの中点ですので、特別な印としてポジションマークを2つ入れます。大半のギターがそうなっていますよね。
フレット打ち込み後にも指板サイドを研磨したりするため、ポジションマークの仕上げもそこで同時に行いたい。というわけでポジションマークを入れる前にナットとフレット周りを仕上げます。前項でヤスリだけで頑張ったナット溝ですが、やはり深さが足りません。新たに購入した3mmのストレートビットをトリマーに装着して手っ取り早く溝を切ります。
ストレートエッジをガイドにして直線の溝を掘ります。指板面にすでにRが付いてしまっている状態ですが、0.1mmのズレも避けたいので冷や汗が出る作業でした。
どうにか綺麗な3mm幅溝が掘れましたが、やはり端っこの木が欠けてしまいました。相変わらずトリマーの技術が向上しません。ここもタイトボンドで補修。
前項で削りだしたナットをさらに磨いたものがこちら。240番くらいから1500番くらいまで徐々に番手を上げてサンドペーパーで磨きました。だいぶ綺麗になったはず。ピッチ精度を考慮してナットの端に鋭く弦が乗るように鋭角に傾斜を付けています。指を怪我しないように角は滑らかに丸く。他のギターのナットを参考にしました。
溝に入れてみると0.1mm程はみ出していたのでさらに削りました。
ヤスリで削った溝部分が若干広がってしまっていたり、3mm幅の溝に対しナット幅が実測2.8mmくらいしかなかったので隙間が空いてしまっています。
そんな時に心強いのがタイトボンド。水溶性のため水で薄めることができますので、それにエボニー指板の削り粉を混ぜて隙間を埋めます。前項で保存しておいた指板の削り粉が早速役に立ちました。先人たちの知恵に敬意を表したいですね。
上手いことみっちり埋まったので周辺をサンドペーパーで滑らかに整えます。指板の端も角を丸くして見栄えをマシにしました。
フレットを打ち込んだ後では作業が不可能に近くなりますので。今のうちに17フレット以降のポジションマークを仕上げます。先ほど開けた穴に木工用接着剤を1滴垂らし、そこに短く切った竹串を差し込み、若干の隙間にエボニーの削り粉をまぶします。22フレットだけ打ち込んであるのは、どうしてもフレットを打ち込んでみたくて我慢できなかったからです。
接着剤が硬化したら、飛び出た竹串を切ります。
最後に表面をサンドペーパーで綺麗にして出来上がりです。
いよいよフレット打ち込みです。通常の品よりも圧倒的に硬いステンレス製のジャンボフレットを、東急ハンズで購入した普通の喰い切りで適切な長さに切断し、フレット溝に押し付けてハンマーでカンカン叩いて打ち込んでいきます。フレットにハンマーの打痕が残らないように硬ゴムハンマーやプラスチックハンマーなどでたたくのが一般的だそうですが、それらでは軟弱過ぎて全然打ち込めませんでした。そこで写真のように木を当てて金槌でガンガン叩いて打ち込んだのですが、それでもダメ。
大騒音を奏でながら狂ったように全力でたたき続けてもダメで、終いには指板の木が少し剥がれてしまいました。これはもちろんタイトボンドで圧着補修。ここまでフレットが入らないのはエボニーとステンレスという硬材同士のせいでしょうか。溝の深さは十分に確保しているはずですので。
金槌の打痕が気になるのならば、広い範囲でフレットに力がかかるようにすれば痕が付かないのではと考え、ナット材のステンレス板の残りを当てて叩いてみました。すると予想以上に上手くいきました。先ほどまでの狂乱の殴打がウソのよう。スムーズに最後まで入っていきます。打痕もありません。
22本打つのは割と大変でしたが、無事に全てのフレットを打ち込みました。ただこの状態ではフレットの切断面が両側に飛び出しているので、このまま演奏すると左手が血だらけになります。
普通の金属ヤスリでフレット切断面のギザギザを削ります。22フレット×2で計44か所あるのでこれも結構な作業量。
はみ出た部分を削ったら、今度は山を丸くします。フレットクラウンファイルというフレット整形専用ヤスリを使ったので楽でしたが、普通のヤスリでもできた作業のような気もします。
全てのフレットの端を丸く磨きました。よく見るとバラつきもありますがそんなに気になりません。
指板サイドから見えるフレット溝(空洞)を埋めるべく、エボニーの粉を入れて木工用瞬間接着剤を垂らします。
全部の溝を埋めました。
サンドペーパーで綺麗に削って滑らかにします。
反対側の溝も埋めます。こちら側にはサイドポジションマークを付けますので、穴に竹串を刺しエボニー粉と接着剤で固めます。
飛び出た竹串を切断し、サンドペーパーで綺麗にして出来上がり。
これで指板面の作業はおおむね完了です。次はヘッドやネックのシェイプの加工などに入ります。
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