■目次
ギター自作その3「フレット溝切り・ナット切り出し・指板接着など」
ギター自作その5「ヘッドネック・ブリッジテールピース・ナット溝切りなど」
ギター自作その8「ピックガードやノブの製作・キャビティの座繰り」 ←今ここ
ピックガードの製作に入ります。印刷した図面をギターに貼って位置や形状を確認しました。問題無さそうです。
ピックガードに選んだのは5mm厚のメイプル材です。450x250mmの板が必要だったのですが、そのサイズを定型サイズとしてWEB SHOP上で扱っている木材業者は見つからず、複数の業者に問い合わせメールを送って購入可能か尋ねました。すると真っ先に大和マーク株式会社から「板目のメイプル、マホガニーなら在庫あり」との返事が返ってきました。いつもお馴染みaimokuはWEB SHOP上にある品は早いのですが、問い合わせに返事が返ってきたのは1週間後でした(返事が無いこともあります)。
厚さを5mmとした理由はもちろん強度的な意味合いが強いですが、ある意味でトップ材としての性格もあると思ってのことです。世間のギターのトップ材も5mm~10mm程度の厚さですからね。接着したかのようにガッチリと固定すれば、木製ピックガードも立派なトップ材です。
大和マーク株式会社から迅速に到着した2500円のメイプル板に切り抜いた図面を当てて鉛筆で線を引きます。
相変わらず不得意な糸鋸盤で外周を切ります。
案の定線をはみ出して切り抜いてしまいました。糸鋸盤って切断のカーブが全然止まらないんですよね。もう糸鋸盤の上達は完全に諦めます。
ヨレヨレの外周をヤスリなどで整えます。
ギターに重ねて取り付けビス用の穴を開けます。
面取りカッターを持っていないので、10mmのドリルビットで面取りを行います。
少し多めのビスでガッチリ取り付けてみます。一般的なギターのピックガード用のビスは長さ12㎜の丸皿タッピンネジが合いますが、今回はピックガードが非常に厚いので長さ15mmの物を選びました。
ピックガードが厚いので指板の高さを超えていますが、フレットの高さは越えていないため弦には触れないのでギリギリ大丈夫でしょう。この時点で弾きこんでみたのですが、ピックガード無しの状態とはまるで音が異なりました。鳴りがクッキリしてパワフルになった印象です。やはりトップ材が音に与える影響は大きいんですね。
ピックアップセレクタースイッチとフロントボリュームポットを取り付ける穴も開けておきました。
一度ギターから取り外し、ピックアップを取り付ける穴を開けます。ピックアップの板を当てて線を引き、その少し外を切ります。
糸鋸盤の技術は相変わらずです。ハムバッカーを取り付ける右側の穴のうねり具合もわざとではありません。本気で慎重に切ってこの曲線です。
ぐにゃぐにゃの穴をヤスリで整形して、ピックアップを仮止め、そして取り付けビス用の穴を開けます。
どうにか取付けが完了しました。
コントロールキャビティ部分のピックガードを切り分けることで、コントロールサーキットをいじる際にピックガード全てを取り外さなくても良いようにしました。
エンピツ線の部分を切ろうと思ったのにこんな状態です。自分の糸鋸盤技術が怖いです。もちろん後ほど切断面はヤスリで整えました。
次にボリュームのノブを作ります。「アーティラート」のザグリ埋めの際に余った松の木を切ってヤスリで形を整形します。
松の木は柔らかいので簡単に削れます。真ん中に6mmの穴を開けて整形完了。
WATCOのエボニー色でオイルフィニッシュ塗装しました。
余分なオイルをふき取って24時間乾燥して出来上がり。可変抵抗器に対して少しユルかったので、穴の内壁に木くずを塗って薄めのタイトボンドで固めて穴の径を小さくしました。
次にピックアップセレクターとなるトグルスイッチのキャップも自作します。テールピース製作時に余ったエボニーの端材を切り出します。
大体このくらいでしょうか。
サンドペーパーなどでひたすら削った後、中心に穴を開けて完成です。穴の内部にネジの溝を切っていないので、中にタイトボンドを充填して取り付けました。タイトボンドは金属にはくっつかないので、硬化後に回して取ればネジ溝の完成です。
続いてキャビティのザグリに取り掛かります。面倒なのでテンプレートは作らずに製作する、と決意していた今回の製作ですが、考えれば考えるほどキャビティのザグリはテンプレートが不可欠であることがわかりました。
余っていたMDF板にピックアップの形状をあて、ザグる形を決めます。
MDF板を切ります。
ヤスリで綺麗に整形した後、部品を当てて空間を確かめます。問題無さそうですね。
出来上がったテンプレートをボディにあてて、ザグるべき穴の形をボディに書き込みます。
トリマーの刃にかかる負担を軽減するためにドリルで穴をたくさん開けておきます。くれぐれもトリマーの深さよりも深く穴を開けないように。
3か所すべてに施しました。
ブリッジをグランド(GND)に落とすための穴を開けておきます。15mmの長いドリルビットを使用しました。
ズレの無いようにテンプレートを固定し、いよいよトリマーで切削していきます。
25mmの長さのコロ付きストレートビット(直径10mm)で彫っていきます。ものすごい音で恐怖感が尋常じゃありません。負荷軽減の穴をたくさん開けておいてここまでとは。作業後に知ったのですが、こういう場合は浅く掘りながら何回かに分けて目標深度まで掘るみたいですね。もっと早く調べておけばよかった。
リアピックアップ用のキャビティをザグリました。未熟な技術ゆえにテンプレートごと削ってしまった部分もありますが概ね問題無いでしょう。
全てのキャビティをザグリました。コントロールキャビティだけが異常に硬く、時々焦げるような匂いを出しながら削りました。色が違うので木の硬さが異なるようです。
ピックアップのリード線を這わせる溝を掘ります。こちらは6mmのストレートビットで真っすぐ彫ります。ストレートエッジをガイドにして、トラスロッドの仕込み溝を掘ったのと同じ要領ですね。
ボディ側面にジャック用の穴を開けます。25mm径のフォスナービットを使いました。
ジャックプレートをあててネジの下穴を開けておきます。ジャックプレートは余っていたゴールドのものを再利用。表面をサンドペーパーで削って無理矢理シルバーパーツとして使います。
大まかな加工はすべて終了です。あとは全体を整えた後仮組をし、塗装するだけ。
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ギター自作その3「フレット溝切り・ナット切り出し・指板接着など」
ギター自作その5「ヘッドネック・ブリッジテールピース・ナット溝切りなど」