新しいギター「ガルキマセラ」が完成しました。4年前に完成したクランドリオン2は、2006年完成のグランドリオンのサブ機としてのコピーモデルですので、僕がゼロから設計したオリジナルシェイプのエレキギターが生まれたのは、2014年完成のメギドファイア以来、実に11年ぶりです。今回ほとんどの製作を担当してくださったのは、ギター工房「TOYO GUITAR」を主宰する豊崎貴志職人です。最後の配線や一部パーツ組み込みなどは僕が自分で行いました。
こちらは豊崎職人ご出演の動画。
2024年の秋ごろ、新しいギターを作りたくてウズウズしていました。その頃、様々な音色が必要となるサポート現場では、2022年に入手したストラトキャスターが非常に便利で大活躍。しかしその弾き心地に慣れていった半面、どうしても許せないストラトの仕様にもストレスが溜まっていました。そこで、今までの自分のオリジナルギターの特性を継承しつつ、ストラトキャスターとの出会いで知った様々なメリット群を、すべて同時に盛り込んだ「僕が考えた最強のギター(現時点で)」を作れないかと思い立ち、友人づてに豊崎職人を紹介して頂きました。それが2024年の12月。ちなみに豊崎職人は、グランドリオンを製作してくださった伝説の林職人の教え子様でもあります。
そこから色々なやり取りを経て、2025年の3月頃から製作が開始されました。僕が思い描いた今回のギターのこだわりポイントは下記のようなもの。最終的にかかったパーツ代などは記事の最後に掲載しております。
【ネック周り】
- ネック材: ハードメイプル
- 指板材: エボニー(ポジションマーク無し)
- スケール: 25.5インチ(648mm) ストラトキャスタータイプ
- フレット: ステンレス製ジャンボフレット(24フレット仕様)
- 指板R: 240R(9.5インチ) ストラト寄りのカーブ
- ネック幅: 細め、ナット部 40mm / 12F付近 51mm
- ヘッド: 角度付きレスポールスタイル
- ペグ: GOTOH製ロック式ペグ、1:21ギア比
- ナット: ステンレス製(厚さ3mm)
- ジョイント: セットネック(スルーネック並みのヒールレス加工)
- トラスロッド: チタン製2way(ホイールナットで調整)
- 補強材: カーボンサポートロッド
- サイドポジション: 蓄光タイプ
- その他: ボリュート加工、ネック仕込み角あり
【ボディ】
- ボディ材: アルダー
- ボディ厚: 35mm
- ボディ加工: エルボーカット、コンター加工
- ブリッジ: レスポールタイプ
- サドル: チタン製
【電装系】
- ピックアップ配列: SSH(シングル/シングル/ハムバッカー)
- マウント方式: シングルはピックガード、ハムはエスカッションマウント
- コントロール: 1ボリューム、トーン無し / 5wayセレクタースイッチ
【デザイン・塗装】
- 基本デザイン: レトロビザール風
- ピックガード: 赤べっ甲
- ボディ形状: 12フレット付近にストラップピン用のツノを配置するボディバランス
- ボディカラー: ブラック
- ネック・ヘッド裏カラー: ナチュラルで濃いめの飴色
- 装飾: ボディ裏にワンポイントデザイン欲しい
【その他】
- 重量: なるべく軽量になるように
以上が、僕の想定した新ギターのスペックです。要するに、ネック周りは細いストラトっぽいのが好き、右手のブリッジ付近はレスポール系が好き、ネックジョイントはスルーネックくらいスムーズが良い、音色はSSHであれば大体のニーズに対応できる、ごくたまにサポート現場で24フレット必要になることもあるからそこまで欲しい、あとはできる限り軽い方が良い、みたいなギターです。ボディ材とネック材のみ豊崎職人に発注いただきましたが、それ以外のパーツは全て自分で調達いたしました。
早速デザインを行いました。様々なギターのボディシェイプを分析し、自分なりのシェイプを作ってみました。下図の黄色い線が2014年製作のメギドファイア、緑が最近メインのストラト、水色の線がアルバートリーモデル、そして赤が今回のガルキマセラのボディ形状です。6弦側のツノの形状はアルバートリーモデルが好みだったので、それを意識しつつメギドファイアと中間あたりにし、抱えた時のボディバランスを考慮してなるべく遠くまで伸びるようにしました。1弦側のツノはメギドファイアのツノを少しシャープに。ウェストのくびれはストラトを意識しつつ、座りで引いた時のバランスを考慮してメギドファイアとの間くらいに設定。ボディエンド辺りは、リバースタイプのファイヤーバードを意識したメギドファイアでは、お尻を大きくし過ぎたなあと感じていたので、形状は継承しつつお尻を小さくし、ストラトにも寄ったようなシルエットにしてみました。
次に図面を製作。ヘッドの形は、2006年に自分でデザインしたグランドリオンのシェイプにしました。そして演奏時に肘に当たるボディ前面部分をエルボーカット(点線部分)。角度的にストラトのエルボーカットは肘のところに来ず、なんの意味もないと感じているので、僕の場合はこんな形にしてみました。さらに肋骨に当たるボディ背面部分にコンター加工。これも自分のギターポジションを考慮して最善の位置に来るようにしています。また高音域演奏時に当たる部分のカットラインも1弦側に点線で書いてます。ボディ背面の丸い点線は、そこに彫刻でもあしらおうという装飾スペースです。
色を付けて仕上がりイメージも作ってみました。左がイメージで、右側が実際の完成写真です。けっこうイメージ通りに出来上がってますね。
ちょっとこだわった点は、サーキット部分の配線です。Fender社製の4P5Tスイッチを使用しました。4P5Tとは「4ポール5スロー」の略称で、4つの独立した回路を同時に制御でき、各回路は5つの異なるポジション(位置)に切り替えることができるスイッチであることを意味しています。後述する2つの「ちょっとしたこだわり」の為に、このような複雑なスイッチを使うことになりました。実際の配線図がこちらになります。
これだとわかりづらいので、それぞれのポジション時の回路を赤線で示してみました。まずはスイッチを一番フロント寄りにした場合。フロントピックアップだけが導通し、他は全て回路から切り離れます。さらにハイパスコンデンサ付きのボリュームが機能するようになります。
次にスイッチを一段階リア寄りに動かした場合。フロントとセンターのそれぞれのピックアップが並列(パラレル)で接続され、ハーフトーンになります。この場合もボリュームが機能します。
次にスイッチをセンターポジションにした場合。センターピックアップのみが接続され、その他のピックアップは回路から切り離されます。
次がちょっとしたこだわりその1。センターポジションからリア寄りに1つスイッチを進めると、リアピックアップのハムバッカーのうち、一番リア側のコイルだけが接続され、センターピックアップと並列接続されることでハーフトーンを生み出します。つまりこの時はシングルコイル同士のハーフトーンとなります。
最後は、スイッチをリア側一杯に動かしたとき。リアピックアップの2つのコイルが直列(シリアル)で接続され、ハムバッカーらしいパワーのサウンドとなります。そして他のピックアップは回路から切り離れます。さらにこの時だけ、ボリュームが機能しなくなる上に、そのボリュームがグランド(GND)からも切り離されるので、高域の僅かな減衰すら防止しています。これが2つ目の「ちょっとしたこだわり」です。これを実現するために4P5Tスイッチが必要だったんですね。

それでは完成品を紹介いたします。
当然ピックガードの形も自分でデザインしましたが、かなりお気に入りです。日本のビザールギター感と、トラディショナル感、オーセンティック感にこだわりました。
ストラトはボリュームなどのコントロールが右手によく当たるのがストレスでした。ですからいつもの慣れた距離感に配置。角度と距離感は他のオリジナルギターたちと同じ値になっています。
Fenderの5点スイッチにも関わらず、レスポールタイプのスイッチノブを加工して取り付けています。色はアンバー。
後半の製作写真でも言及しますが、偶然が生んだお気に入りのカラーのピックアップカバーです。フロントピックアップはDimarzioのDP408で、最近のメインのストラトに搭載されていたものと同じ。センターピックアップはDimarzioのDP416で、フロントと同じシリーズにしてみました。リアピックアップは、僕のオリジナルギターの全てに搭載しているSEYMOUR DUNCANのSH-55b Seth Lover Bridge NICKEL 4Cです。コイルタップできるように4芯モデルです。
ブリッジとテールピースはGOTOH社製の普通のもの。自分でイモネジ用のネジ溝を切り、六角レンチでイモネジを締めることでロック機能を持たせました。所有のギターには大体この改造を施しています。またサドルはいつもグラフテック製ですが、今回のブリッジサドルは改造SGと同じくチタン製にしてみました。昔ほど弦を切らなくなったので。
指板は以前からストックしていたエボニー(黒檀)材。ポジションマークは不要です。フレットはステンレスジャンボのJESCAR #57110 Stainless。所有のギターのフレットは全てこれにしてあるので、ここ20年、摩耗によるフレット交換などはしたことがありません。
フロントピックアップをできる限りフロント寄りに搭載するために、トラスロッドの調整用のホイールを24フレットめの指板内部に配置してもらいました。ひそかなこだわりポイントです。ロッドカバーを外したりせずにすぐにロッドにアクセスできるので便利です。
ネックの握り側の塗装は、艶消しでマットな感触にしてもらいました。ツルツル塗装だと、近年滑りが悪く感じることが増えたので。
まるでスルーネックかのような接合部分ですが、セットネックです。ネックの仕込みもやや奥の方になってます。塗装の境界はグラデーションにしてもらいました。
ステージ上で、蓄光ポジションマークは必須です。「グランドリオン2」の製作時、蓄光マークをアルミパイプの中に入れて貰ったのを参考に、今回は銅パイプの中に仕込んでみました。銅の色のスチームパンク感が好きです。
この部分ですと銅色がよくわかります。ネックには仕込み角があり、ボディから指板トップまでの高さが高くなり過ぎないようにこだわりました。レスポールくらいの高さです。
ヘッドには自分のロゴを。以前オリジナルアンプを作った時のインレタの残りを使いました。ペグはショップ経由でGOTOH社に注文したSGL510Z-A07-CR-L6-MGTです。1:21のギア比で、たくさん回さないとなかなか巻けません。つまりチューニングの精度が細かいです。
ヘッド裏には豊崎職人の「TOYO GUITAR」のロゴを入れて貰いました。本当はヘッドの表に入れて欲しかったのですが、僕のロゴとデザインが合わなかったり、スペースの都合で裏に貼っていただくことになってしまいました。すみません。
個人的遊び心で、ヘッド側面にこのギターの名前「ガルキマセラ(GARCHIMACERA)」を入れてみました。銅板をカットして、刻印棒で1文字ずつ打ち込んだのですが、やや素人レベルの仕上がりです。でもお気に入り。
こちらは肘が当たる部分のエルボーカット。ここは直線的、平面的なカットが好きです。
ハイポジションの演奏性を高めるためのコンター加工。普段ハイポジションはあまり弾かないけれど、ごくたまに弾く時のために。
ギター背面の様子。
大きいコンター加工。ここに僕の胴体が当たる格好です。
今回のこだわりの1つ、彫刻です。製作写真で後述しますが、過去に僕の祖母が作った木工彫刻品をカットして、ここにあしらってみました。
ボディ側面ではなく背面に取り付けたアウトプットジャック。これもこだわりの一つ。ジャックはすっかりお気に入りとなったPure Tone Jackです。
ここからは制作風景の写真となります。写真提供は豊崎職人です。僕が作った図面をもとに、トレーシングペーパーに図を起こしてくれました。もうこの時点でカッコイイ。
ボディを側面から見た感じも図に再現されています。
ヘッド図面。これはグランドリオンの時の図面を参考にしています。
3月下旬、2ピースアルダー材に描かれたボディの完成イメージ。
ヘッド角度付きのネックのため、いつも世話になっているアイモク様に通常よりも厚いハードメイプル材をご用意いただきました。
ボディから指板トップまでの高さなど。
ネック仕込み角度周辺の図。
4月辺り。ヘッドが大まかに出来上がりました。大興奮。
塗装前のメイプルって色が白くて頼りないですよね。
ヘッド角度ももう付いてます。奥はフレット溝切りも終わった指板。
トラスロッドを仕込む溝を掘るところ。
トラスロッドは、「グングニル」製作時もお世話になったtatsuta様に連絡して、450mmのホイール付きのダブルアクショントラスロッドを製作いただきました。順反り方向、逆反り方向、両方に動くトラスロッドです。
僕の場合、トラスロッド両脇のカーボンサポートロッド(黒い棒)は必須です。普段、市販のギターと自分のオリジナルギターを使っている中で、けっこう気になる差があります。それは日々のネック反りの動きです。このサポートロッドが無い普通のギターは本当によく反りが変わってしまうんです。サポートロッドは絶対に搭載したい基本スペックですね。
トラスロッドを回すためのホイールナットは装着済み。
これは多分カーボンサポートロッドを接着しているところ。
指板にフレット打ち込み用の溝を切っているところ。
溝切り完了。メギドファイアを作った2014年当時は、どこの木材屋さんでも結構真っ黒なエボニー(黒檀)が安く手に入ったのに、今はこれくらいの茶色い品でも高価です。それでもオイルを塗れば結構黒いですけど。
指板をネックに接着しているところ。
ホイールロッドがきちんと24フレット目に来ています。
ロッドの回転テスト。
これくらいの可動範囲があれば調整に問題ありません。
ネックの形が見えてきました。
フレット溝を利用して、ネックと指板がズレないように釘的な何かを打ち込んで固定します。丸い穴はそのためのもの。あとでフレットを打ち込むと見えなくなります。
サイドポジションマークを入れていく穴をあけています。
まずは純銅製のパイプを入れます。
次にLuminlay(ルミンレイ)の蓄光ポジションマーク材を入れます。ステージが完全に暗転すると、真っ暗で自分の手も見えません。そんな中でも実用的な明るさを望むならば、ちょっとお高いですがLuminlayの高輝度蓄光材を選択するしかありませんでした。
飛び出た部分を削って平滑に。
Luminlayの蓄光材はちょっと暗いだけでも光るので嬉しいです。それでいて奏者以外にはそこまで目立たない。
ネックとヘッドの間は、堅牢性を維持するためにボリュート加工で分厚くなっています。
指板のR(アール)は9.5インチカーブ。
ストラト寄りの指板カーブ。
ステンレスのジャンボフレットを打ち込んでいきます。
フレットが打ち込み終わるとすっかりギター感が出てきますね。
今回はナットもステンレスにしました。ステンレス材は自宅に眠っていた3mm厚の304ステンレス板から切り出しました。
5月に入り、ネックの次はいよいよボディです。バンドソーでボディ材の外周を切り出しています。
ボディが切り出せたらネックを仕込むポケットを切削します。
仮でネックを入れてみた感じ。この時点でかなり興奮しますね。
ネックの仕込み角も、ボディトップから指板トップの高さも希望通り。
この辺の数値も、自分の手持ちギター達の実測数値を豊崎職人にお伝えして、希望を実現してもらいました。
ピックガードも完成。今までどのギターも黄色べっ甲でしたが、グランドリオンの赤べっ甲に回帰したくなり、今回はこの柄にしました。
ピックガードの外周は斜めに面取りされています。ビスで仮止め。
こだわりのジャックプレート。プレート厚のぶんだけ一段落とし込んで貰いました。
コントロールキャビティも座繰ります。4P5Tスイッチが大きいので、収納スペース確保のために内部でさらに空間が一段下がっています。
パーツを仮止めして、内部で部品が内壁と干渉しないかどうかをチェック。
ブリッジやテールピースとGNDと繋ぐためのアース線用の穴も開いております。
エルボーカット部分を削っています。
コンター部分も削ります。
6月になり、いよいよネックをボディに接着です。
フロントピックアップの真下までネックが差し込まれています。
滑らかで美しいコンター加工。
まるでスルーネックのようなネック接合部。
ハイポジションが不得意な僕には大変ありがたい形状ですね。
もっと極端にエルボーカットして欲しかったので、この写真の後にさらに深くカットしてもらいました。
ついに木工終了。豊作職人からこういう写真が届くたびに、毎度毎度興奮していました。
背面も素敵。装飾を施す予定の円形部分は、この時点ではまだ削っていませんでした。
7月、ついに塗装が始まりました。まずは下地塗装です。
この時点で装飾を付けるための丸部分が切削されました。
コンターとエルボーカットのカーブも素敵。たまりません。
次に黒でのラッカー塗装。
なんてセクシーなんだろうか。
美しい。
どこから見ても美しい。
ヘッドにロゴが貼られ、ネックの飴色塗装の1回目。
まだまだ色は薄いですね。
「もう一段階、飴色を濃くしてください!」と要望し、2度目の飴色塗装。
良い感じです。
理想に近づいてきました。
ですがもっと濃くして欲しいので、もう一度だけ飴色感の増量をお願いしてしまいました。
この段階で「TOYO GUITAR」のロゴも入りました。
理想通りの飴色感です。
なんどもワガママを聞いてくださってありがとうございます。この後トップコートとしてクリア塗装され、1~2週間の乾燥。そしてネックグリップ部にはツヤ消しのマット塗装が行われました。
そして8月頭頃、塗装の研磨も終わって完成。豊崎職人からギターを受け取りました。パーツを仮組で載せたお写真。最高すぎる。
ここからは僕の手による最終仕上げの行程です。
こちらの箱は、祖母が製作したもの。卒寿をとうに超えた僕の祖母は、数十年前まで彫刻を趣味としておりました。昨年、祖母の引っ越しの際に出てきた廃棄品として、この箱を貰ってきたんです。今回のギターを作る前から、この彫刻を装飾としてギターに取り付けたいと思っていました。ちなみに祖母はまだ元気に存命ですので、形見とかそういうのではありません。単純に彫刻のあるギターにしたかったんです。
丸に切り抜いてみました。何の花の彫刻なのかはわかりません。
ギターのボディと同じ色に黒く塗られて良い感じです。
こちらはヘッドに貼ったインレタ。
こちらはDimarzioのピックアップカバー(クリーム色)。どうも新品感が嘘くさいので、ネジで固定して、4、5か月ベランダで雨ざらしにしてみました。しかしながら一切の劣化もせず、新品同様で驚きです。全然良い風合いにならない。しかも、今回選んだフロントピックアップDP408とセンターピックアップDP416は、Dimarzio社の製品にも関わらず、このピックアップカバーが合致しませんでした。酷い。
そこでDP408とDP416に最初から付属していた白いピックアップカバーをプラ染め太郎で染色することにしました。下はサイズが合致しなかったクリーム色、上が黄色と茶色で着色したもの。
茶色と黄色を混ぜたりして何度も調色しましたが理想の色にならず。
赤色のプラ染め太郎も買い足して色々混ぜているうちに、ようやくヘッドの飴色に合う良い色合いとなりました。さらにここで、予期せぬ嬉しいハプニングが起こりました。プラ染め太郎で染色しても、強く削れば地の白色が出てきてしまうので、保護する目的で全体をクリア塗装でコーティングしてみたんです。すると、クリア塗装とプラ染め太郎が反応して溶解し、マダラ模様になってしまいました。でもこれって木目調にも見えて、かなり良い感じじゃないか?ということでこのまま採用しました。嬉しい誤算です。
ノイズ対策のために、ピックアップキャビティにシールディングを施していきます。
導電塗料は抵抗値が高く、どうも好きになれないので銅箔テープを貼ります。最近は、極薄で粘着部分も導通する、両面導通の便利な銅箔テープがあるんですね。インレタやスクリーントーンを貼る際に活躍するトランサーを使用すると便利でした。
キャビティの蓋となる、ピックガード部分にも銅箔テープを貼りグランドに導通させます。
アウトプットジャックの穴の側面にも銅箔テープを貼ります。
銅箔テープを貼り巡らせつつ、すべてがグランド(GND)と導通するようにします。これで外来ノイズ対策はばっちりです。そして、部品との接触の可能性がある箇所にはアセテートテープを貼って絶縁しておきます。これでさらに安心。
ピックアップキャビティの底には、念のために共振防止のスポンジを入れます。多分このギターは無くても平気だと思いますが、大昔これが無くてノイズに悩まされた経験があるので、おまじないみたいなものです。
ジャックはPure Tone Jackですが、やはりスペースギリギリなので絶縁しておいてよかった。
今回のハイパスコンデンサは、国産の謎のコンデンサ100pF。1970年代のアナログミキサーの残骸から取り外したものです。
そして内部配線を行いました。内部配線材は全てオヤイデ電気の純銀線を使用しました。今では驚きなんですが、20年くらい前はオヤイデ電気の店頭で純銀線が1m400円で売られていたんです。この記事執筆時点の5分の1くらいの値段です。当時余分に買っておいてよかった。
モデル名刻印の為に、Amazonで安い刻印棒を買ってみました。
何回も失敗してようやくこれです。この辺りで妥協します。
祖母の彫刻も上手く貼りました。
以上、製作写真の紹介でした。
下記は、僕が用意した部品の全てです。ネック材とボディ材のみ、豊崎職人経由でアイモクに発注していただきました。調達時の値段に送料は含んでおりません。
もちろんこの材料費の他に、豊崎職人のお見積による製作費・工賃が発生しております。僕は元々ギターに全然お金をかけないギタリスなので、入手までに最も費用がかかったのはOrmsbyギターであり、その費用は全部で25万円ちょっとでした。プロとしては驚くべきケチな金銭感覚かと思います。しかし、このガルキマセラはそれを大きく上回る金額を投じた力作となりました。とはいえ、一般的なフルオーダーメイドで作る場合よりもはるかに安価に作ることができたので大満足です。
これで僕の必要とするギターは大体揃ったような気がします。元から、たくさんのギターを所有したいという欲はありませんし、必要なギターのみを入手したり、無いない場合は作ってきた感じであり、これにて出揃ったような気がします。この先、オリジナルギターはもう作らないのではないかな、という気すらしています。この「ガルキマセラ」が完成して満足しました。
そうそう、全体の重量は3.3kgで、僕の所有のギターの中でもSGに次ぐ軽さで、オリジナルギターの中では最も軽いです。



























































































































