2022年ステージセッティング備忘録

2022年のステージ足元を備忘録として記録しようと思います。まずは4/23に池袋CLUB Mixaで開催されたカノエラナさんのライブにギター&バンマスで出演した際のセッティング。

 

今年からLINE6のHelix LTがメインとなる足元になりました。Helix Floorの発売が2015年、Helix LTの発売が2017年なので、いい加減そろそろ最新機種が発売するのかな、としばらく待ってみたのですが一向に発売されないので、どちらかと言えばわずかに小さく軽いHelix LTの方を購入したというわけです。

 

その他にも候補に挙がったギタープロセッサーはありましたが、HX stompHelix Nativeを使ってきたので同シリーズに落ち着きました。最後までNeural DSP Quad Cortexと迷ったのですが、MIDI制御とスナップショット機能に慣れのあるHelixを選びました。

 

全てのスイッチングはマニピュレーター(通称マニピ)から送られてくるMIDI信号で制御しております。そのMIDI信号は小節や拍単位で細かく作成し(自分で)、それをマニピに渡してシーケンスと同時に流してもらっています。曲中に自分の足で音色を切り替えることはありません。ギターソロになれば自動的にソロの音色になります。

 

ボード左端にあるのはKORGのステレオVolペダルXVP-20。今まではERNIE BALL製のペダル筐体こそが最強にして堅牢だと思っておりましたが、KORGの筐体も全く劣らず堅牢でした。Helixではステレオ出力を扱うことも多いので、選択肢もXVP-20くらいしかありません。右上に配置しているのはギター持ち替え用の入力ABスイッチ。その下がKORGのチューナーPitchlack miniの非売品PRSコラボモデルです。PRSは個人的に好きではないブランドですが、コラボ非売品というところが面白かったのでネット中古市場で入手しました。

 

 

このライブでは、足元でプリアンプ部分のサウンドまで作り、OrangeのパワーアンプPedal baby100でスピーカーを鳴らしております。左のMarshall4発スピーカーキャビネットはライブハウスの常設のもので、ただの物置台として使用しており音は出ていません。その右の自作2発キャビから音が出ております。ギターはグランドリオン2と半音下げチューニングのメギドファイア

 

 

自分の陣地の全体像はこんな感じでした。Voマイクへのドラム音かぶりを防ぐために、ドラムセットには防音アクリル板が立てられております。

 

 

続きまして4/29から5/8まで立川ステージガーデンなどで行われた声優堀江由衣さんのツアーに、ギター&バンマスで出演した際のセッティング。

 

ここからようやく全くアンプ無しの完全ラインセッティングになります。足元の変更はありませんが、Helix LT内部ではパワーアンプまでシミュレートして音作りを行っております。実物のアンプを鳴らさずにラインで直接PAに音を送るので、PA的に音作りもやりやすく、他演者への音影響もないのでメリットしかありません。もちろん「本物のアンプ鳴らしてナンボだろ!」というギタリストにはデメリットはあるのかもしれませんが、様々な要素と折り合いをつけながら行われるツアーサポートなどでは合理的な決断こそ正義だと考えます。

 

 

ステージ上に2発キャビを置いておりますが、実は配線されていない単なる置物です。バンド演奏感を演出したいツアーコンセプトだったので、セットの一部として置いておりました。ギターはグランドリオン2、アコースティックギターはTakamine PT-406で、1曲だけアコギ曲があったので置いてあります。

 

 

ホール系の公演では、演出上限りなく真っ暗に暗転することがあります。その場合ギターの手元さえ全く見えなくなり、次の曲の始まりを弾く際にドキドキするという事態がしばしば起こります。そんな時は指板横のポジションマークが蓄光にしておくと安心です。暗闇でも見えますし、光も弱いので真っ暗演出の妨げにもなりません。

 

 

陣地全体はこのような感じ。

 

 

自分の陣地から客席を見た様子。自分の右前にPC配置し、PC用ソフトウェアであるHX editを使ってHelix LTを自在に制御できます。とはいえ既に音色やシステムは構築し終わっているので、何かあったときの微調整などに使うのみで、公演中に触ることはほとんどありません。

 

 

こちらは7/21に恵比寿LIQUIDROOMで開催された、アイドルTENRIN様のワンマンライブにギター&バンマスで出演した際のセッティング。

 

 

足元に変更は無し。このライブからキャビすらも置きません。非常に広々として良いですね。

 

 

ステージ上にアンプが無くとも、ビジュアル的には特に問題なさそうです。バクバンドであればなおさらですね。

 

 

次は10/14から10/21まで渋谷O-WEST等で行われたカノエラナさんのツアーに、ギター&バンマスで出演した際のセッティング。

 

こちらはO-WESTの2階席からセッティング中のステージを撮影した様子。

 

 

足元に変更はなく、この形に定まった感があります。特別な理由が無い限り、当分の間はこのセッティングのまま行けそうです。デジタル万歳。

 

 

ステージの広さを圧迫することが多いので、アンプなんぞは極力置かないに限ります。メインギターはこのツアーから実践投入された初めてのストラトキャスター

 

 

ステージ上手(かみて)からドラム、ベース、ギターという珍しい並びでした。

 

 

最後は11/30に代々木の山野ホールで開催された2次元キャラクターコンテンツ「カリスマ」のライブイベントにギター&バンマスで参加させて頂いた際のセッティング。

 

アンプはありません。目の前には譜面を表示させているiPad。左側(写真右)には音色を監視すためのPCを置いたり、小物類を置くために譜面台を水平にして配置しております。

 

 

なんとこのライブではチューナー、HX stomp、KarDiaNのボリュームペダルの直列つなぎのみ。前述のカノエラナさんツアーとリハーサル時期が被っており、そちらに機材を預けていたためにこちらのカリスマではシンプルセッティングとなりました。切り替えるべき音色も3パターン程度だったのでこれで済みました。HX stompはHelix LTとプリセットを共有できるのも便利です。

 

 

山野ホールはなかなか素敵なホールでした。

 

 

トークとライブが交錯する演出でしたので、バックバンドはステージ上手側でした。

 

 

かなりシンプルなセッティングで挑むことができました。

 

 

ステージセッティングは2018年より記録しておりますが、その頃と比較すると随分シンプルになり、デジタル制御により非常に簡便になりました。テクノロジー万々歳ですね。使い慣れた使用感を捨ててでも試してみたいギタープロセッサーが発表されないかぎり、しばらくこのままでいきそうです。