2020年ステージセッティング備忘録

2020年のステージ足元を備忘録として記録しようと思います。まずは2/11に舞浜アンフィシアターで開催されたアイドル・悲撃のヒロイン症候群のバックバンドにギター&バンマスで参加させて頂いた際のセッティング。

 

昨年末のセッティングから大きく変わったのはLINE6のHX stompを導入した事です。アンプシミュレーターとエフェクトの全てが詰まっておりますので、もうこれ1台で完結です。肝心の音質的な好みの部分は全く問題ありませんでした。様々な音色を曲ごとに、もしくは部分ごとに多数準備して切り替えなければいけないステージ仕事では、やはりこのようなテクノロジーの力が非常に助かります。アナログの魅力よりも、業務的な合理性を積極的に追い求めていきたいですね。何よりPCで詳細にプログラムを作成できるのが便利です。

 

 

HX stompを操るにあたって、スイッチャーはBOSSのES-5を選択しました。このスイッチャーは外部機器に対してMIDI情報を送信できるので、複数のエフェクトループを切り替えると同時に、HX stompのプリセットも切り替えることができます。つまり曲中でアンプも変更する事も出来ますし、ボードを組まずとも数百というエフェクトを使えるようになり、さらには各種ツマミパラメータまでも踏み込み1つで瞬時に一斉に切り替えることが可能になっております。

 

HX stomp以外に3つのエフェクターが設置されていますのは、まず特定のフレーズだけピッチシフトしてダウンチューニング感を出すためのWhammy。そしてフィードバック音を出すためのFreqOut。小さくて白いのは手元でギターのスイッチを切り替えることなくボリュームを絞ったフロントピックアップの音を出すためのToneCapture。いずれもHX stompのエフェクトでは再現が難しいエフェクトです(ピッチダウン系エフェクトはHX stompにもあります)。

 

HX stompでプリアンプまでの音色を全て作り込んだら、あとはそれをパワーアンプで電力増幅してスピーカーキャビネットを鳴らすだけです。スピーカーキャビネットは以前自作したこちらの2発キャビ。パワーアンプはOrangeのPedal Babyを購入しました。サイズ感の丁度良さや、流石ギターアンプメーカーの製品であるシンプルさと信頼感が選択の決め手です。キャビの横に置いてあるのはイヤモニとミキサーのシステム。

 

 

ギターはシンプルにメインとサブを1本ずつ。横にはストリングスチームの皆様10名が座っております。

 

 

舞浜アンフィシアターは舞台やお芝居を行える会場でして、円形のステージが非常に広いです。

 

 

これもまだステージの写真。この外側に座席がたくさん並ぶ客席があります。

 

 

続きましては12/18にZepp Yokohamaで開催された、アプリゲーム「ドールズフロントライン」の無観客オンラインライブイベント「OPERATION CALLING」にギターで参加させて頂いた際のセッティング。2020年を席巻したコロナ禍のせいで、参加予定だった数々のステージは消え失せ、結局この2公演のみがステージのお仕事でした。

 

2月のセッティングから大きな変更点はありませんが、HX stomp以外のエフェクトは自作ワウ(黄色)とFreqOutだけになりました。右下のABボックスは、入出力を逆につないで、ギターの持ち替え時に入力を切り替えるセレクターとして活用しています。

 

 

今回は「ステージのビジュアル上、大きいキャビでお願いしたい」と言われてしまいまして、急遽知り合いのスタジオに預けっぱなしの4発キャビを引っ張り出して現場投入しました。ただ後々映像等を見てもほとんど映っていないどころか、黒を基調としたステージに赤いキャビが明らかに馴染んでいなかったので絶対失敗だったと確信しています。また無観客の配信公演でしたので、PA的にも大きな生音は不要であり、どう考えても黒の2発キャビが良かったなと思うばかりです。パワーアンプは引き続きPadal Babyです。

 

 

今回はメインギターにグランドリオン、7弦サウンド用に先日製作したSG、そして1曲だけ7弦ダウンチューニング曲があったのでESP「E-II TE-7 BLK」を用意しました。先日製作したSGは初めての実戦投入でしたが、非常に素晴らしい使用感でした。ですが様々な問題点も浮かび上がって参りましたので、また新たな製作が楽しみです。具体的には、ナチュラルな柿渋極薄塗装ですので木の鳴りが良過ぎて、大会場でのヘヴィディストーションサウンドの場合にはハウリングを起こしやすいという点。また7弦仕様の低音チューニングですので、GIBSON系ミディアムスケールだとピッチの安定感が少々心細いという点でしょうか。

 

 

コロナ禍における感染症拡大予防と対策アピールの為にアクリル板が沢山設置されたステージでした。

 

 

 

無観客配信ライブにもかかわらずこの大会場。非常に贅沢ですね。

 

 

今回の現場を経て、来年予定されているステージでのセッティング案が見えてきました。既に今回のリハーサル中から来年に向けた新たなギア達の調達を始めております。来年はもっとイベント開催できると良いですね。