普段ステージやレコーディングで使用している歪み系ペダルは全て自作器ですが、どれもほぼ同じ回路の物になっています。回路図を含めここで紹介いたします。
こちらがステージで使用している1台。オーバードライブとA/Bボックスが一体となったタイプ。
中身はこんな感じです。基板などを使わない(オペアンプに使用していますが)ポイント配線が好きです。音によるこだわりではありません。単に見た目がカッコいいからです。
こちらはレコーディングでメインに使用しているオーバードライブです。前述の1台と回路は同じです。
中身はこんな感じです。
2つを比較すると、後者のほうが大きいです。エフェクターは大きければ大きいほど良いです。強い機材に見えますから。
レコーディング用器でもA/Bボックス機能は搭載しております。赤と青で色が切り替わるLEDです。チューナーOUTとして非常に便利。
デザインは自分のギターのデザインに合わせています。
基本的に自分の機材を作るときは寄せ集めのジャンク部品から作るのが好きです。ゴミ捨て場で拾った太古の真空管ラジオから外したジャンク部品などを中心に、様々な部品を思いつきで使用しているため、同じものはなかなか生まれません。念のため部品の値は実測して確認します。古い部品は値が変わっていることが多いです。
配線材も、1940年代のワイヤーなどを使用しております。「ビンテージは音が良い」という非科学的信仰は嫌いですが、ビンテージ部品そのものは大好きです。雰囲気がいいです。ただ音が良いとは思えません。悪いとも思っていません。なんでも一緒だと思っています。
入力にはこの松下電器のコンデンサ。数年前にチェックした時は容量低下してましたけれど無事でした。
自分のペダルにはいつもモトローラ社のMC4558CGを使います。昔安い時にまとめ買いしておいたものですが、今では1個3000円くらいで売られていたりして驚きです。希少価値はありますが、音に関しては通常のオペアンプの100倍近い値段を出すほどのクオリティには思えません。ただ確かにワイルドな音はします。
こちら回路図とレイアウト図になります。手描きのままですので見づらさはご容赦下さい。部品の値などは、何台も作ってきた中でなんとなく落ち着いた数値です。ただ手持ちの部品にその値が無い場合は、平気で違う値の部品を使ってしまいます。電気的に間違っていたとしても、それがまた面白いかと。ご興味のある人は作ってみてはいかがでしょうか。
お察しの通り、基本的にOD-1、TS系、ランドグラフやFulltone系王道回路ですね。結局のところこの回路を基本に自身でアレンジしていくのが最もバランスの良いペダルを作る秘訣だと思います。ロックミュージックの大半がギターとベースとドラムで構成されているのと同じように、多くのオーバードライブがこの回路構成を土台にしています。