石鹸の作り方

初心者に最適な石鹸づくりの方法です。

 

一時期アメリカで暮らしていた時(見知らぬペルー人夫婦の家に下宿)に、現地の毒々しいクッサいシャンプーやらボディソープが嫌で困っていました。そんな時、パサデナの街の小さな手作り石鹸屋で買った石鹸をとても気に入ってしまいまして、以来年に数回石鹸を手作りしています。それまで無添加石鹸というものは知っていましたが、「石鹸を自作する」なんて考えた事もありませんでした。

 

最初は以下の書籍を参考に石鹸づくりを開始しまして、今でもあまり変わらない方法で石鹸を作り続けています。今回紹介する方法もほとんどその本の受け売りです。

 

肌に髪に「優しい石けん」手作りレシピ32

 

■石鹸づくりに必要な材料

・精製水・・・340g
・苛性ソーダ・・・138g
・オリーブオイル・・・400g
・ココナッツオイル・・・300g
・ラード・・・300g
・ホホバオイル・・・小さじ2杯くらい(目分量)
・お好みの精油類
・お好みのプラスアルファ(卵黄・蜂蜜・竹炭・米ぬか・その他なんでも)

 

■できれば用意した方がいい道具
・ゴム手袋
・計り
・ゴーグル
・ハンドミキサーなどなど
※あとは記事中の進行を見ながら自分で見つくろってください。

 

 

1.牛乳パック1.5本分くらいの量の石鹸の作り方を紹介します。まずはどこのご家庭にもある精製水をキッカリ340g計ります。くれぐれもキッカリで。どこのご家庭にも無い場合は薬局で500mlで100円くらいで売ってますね。

 

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2.次に、どこの家庭にもある苛性ソーダ(医薬用外劇物)を用意します。いわゆる水酸化ナトリウムですね。ご家庭に無い場合は調剤薬局などで身分証明書と印鑑を持参して購入可能です。500gで500円ちょっとくらいですかね。どんな薬局にも常時在庫があるというわけではないので、事前に電話で在庫の有無を確認するといいと思います。ただその時に「何に使うんですか?」と聴かれることが多いので、そこは正直に「手作り石鹸の材料です」と言っておきましょう。多分悪用する人もいるんでしょうね。

 

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3.苛性ソーダを138gキッカリ計ります。こちらもくれぐれもキッカリ。苛性ソーダは劇薬ですのでマスクとゴーグルとゴム手袋で防御します。危険な蒸気も出ますので吸い込まないように。肌に触れたら光の速さで洗ってください。目に入ったらすぐに洗い流して医者へ直行です。科学反応が怖いのでガラス容器奨励だそうです。試したことはありませんが、木の容器とかだと化学反応起こしちゃうんでしょうか。

 

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4.計量した苛性ソーダを先ほどの精製水に溶かします。少しずつ入れ、少しずつ溶かしましょう。苛性ソーダは水に溶けると発熱します。溶かし混ぜているうちに、冷水が熱湯になるくらい発熱します。プラスチックのフォークが熱で変形します。溶かし終わったら容器ごと水で冷やしておきます。

 

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▼ボウルなどに冷水を張って、そこに苛性ソーダ水溶液の容器を入れて冷やします。

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5.苛性ソーダ溶液を冷却している間にオイル類を用意します。オリーブオイル400g、ココナッツオイル300g、ラード300gを計って鍋で混ぜます。もちろんこちらもキッカリです。固まっている場合は少しだけ火にかけて溶かします。火はすぐ止めて。熱しすぎに注意しましょう。

 

●オリーブオイル・・・オレイン酸を多く含み保湿効果に優れ、石鹸作りではポピュラーなオイル。

 

●ココナッツオイル・・・常温では白い固形で、石鹸の泡立ちと洗浄力に欠かせないオイル。石鹸を硬くする効果もありますが、水に溶けやすい性質もあります。

 

●ラード・・・豚の油脂。スーパーなどで安く手に入ります。保湿、泡持ち、固さなどのバランスがよく、ココナッツオイルと組み合わせると、泡立ちがよく固い石鹸ができる。

 

▼オイル類を冷蔵庫で保存している場合は、作業前にお湯に浸けて柔らかくしておきましょう。

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▼オリーブオイル。1gくらいのズレはまあお許し下さい。

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▼こちらはラード。ラードは固いので温めておかないと扱いづらいです。

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▼鍋で全部を混ぜます。目に見える固形物がなくなるまで溶かします。

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6.混ざったオイルに、冷ました苛性ソーダ水溶液を加えます。少しずつ入れるべきだそうですが、面倒なので一気に入れます。今のところトラブルが起こったことは有りません。後はひたすら混ぜます。カスタードクリーム並みの粘度が出るまで混ぜます。これが結構な重労働です。

 

7.目指す粘度に達するまで、手作業ですと何時間もかかる場合がありますがハンドミキサーですと5分くらいで済みます。私も石鹸作りのためだけに安いミキサーを買いました。すんごくうるさいですが、絶対おすすめです。最初の頃は泡だて器(ホイッパー)を使って手作業で必死に混ぜていましたが、これですと激しく混ぜ続けても1時間くらいかかりました。2000円くらい出して安い電動ハンドミキサーを買うことをお勧めします。

 

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8.カスタードクリームみたいな硬さ・質感になったらホホバオイルを小さじ2杯入れます。こちらはそこまでキッカリでなくても平気です。私はここで米ぬかを茶碗一杯程度入れます。ここでは基本的に何を入れても良いです。卵黄、蜂蜜、竹炭等。すりおろしたニンジンや、チョコレート、コーヒー、その他様々な野菜やフルーツを入れる石鹸もあります。

 

●ホホバオイル・・・肌の皮脂に似た成分を持つオイルだそうな。非常に酸化しにくく、石鹸やクリーム、ボディオイルなどによく使われます。石鹸の材料の中では結構高額な部類の品です。

 

▼こちらは米ぬか。お米屋さんで頂きました。

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9.精油もこの段階で入れます。香りや効能などを考慮して、好きなものを好きなだけ入れましょう。最終的に随分香りは飛んでしまうので結構多めに入れて大丈夫です。私はティーツリーやサンダルウッドが好きです。10ccずつくらい入れます。効能や特長など色々ありますが、そのあたりの効果はあまり信じていないので香りで決めています。好きなものを全て入れ終り、しっかり混ぜたら牛乳パックなどの好きな容器に入れて24時間寝かせます。冷えすぎないように牛乳パックごとタオルに包んで温度を保ちながら寝かせましょう。冷えすぎも駄目ですが、温めすぎもいけません。なんとなく暖かい、くらいの部屋においておけば大丈夫です。

 

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10.これはフェイス・ボディ用石鹸ですが洗髪用には1ヶ月くらいローズマリーハーブに漬け込んだ椿油(要濾過)を使用します。精製水340g、苛性ソーダ140g、椿油500g、ココナッツオイル400g、ホホバオイル100g。ここまでの作り方は同じです。

 

▼椿油にローズマリーハーブを漬け込んだもの。

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▼漏斗に、キッチン用生ゴミネットを取り付けるとハーブを濾し取りやすいです。

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11.翌日、24時間寝かせた石鹸をまな板と包丁で好きな形に切り分けます。石鹸を切った包丁を洗えばわかりますが、この時点ですでに泡立ちます。それを4週間ほど直射日光が当らない風通しの良い場所に並べて放置します。この熟成で香りは随分飛んでしまいます。

 

12.以上石鹸作りでした。当たり前ですが自己責任でどうぞ。石鹸作りのレシピは無限に有るので探してみて下さい。手作り石鹸が良いのかはよく分かりませんが、悪いものが入っていないのは確実です。変な市販のボディソープ類で体コーティングするのが嫌な人は是非。