ギター自作その7「フィルムコンデンサの自作」

■目次

ギター自作その1「計画・準備・材料調達」

ギター自作その2「ボディ切り出し・トラスロッド仕込みなど」

ギター自作その3「フレット溝切り・ナット切り出し・指板接着など」

ギター自作その4「指板整形・フレット打ち込みなど」

ギター自作その5「ヘッドネック・ブリッジテールピース・ナット溝切りなど」

ギター自作その6「ピックアップの自作」

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ギター自作その8「ピックガードやノブの製作・キャビティの座繰り」

ギター自作その9「仮組み・ボディ塗装」

ギター自作その10「ピックガード塗装・シールディング」

ギター自作その11「蜜蝋ワックス塗布・組込み・完成まとめ」

ギター自作その12「完成写真」


 

ピックアップを自作したので、コントロールサーキット内に使うコンデンサも自作してみようと思いました。ギターにはトーン回路やボリュームのハイパス回路でコンデンサが使われています。私の場合、全てのギターからトーン回路を除去していますので、使用するコンデンサはフロントボリュームに付けるハイパスコンデンサだけになります。

 

ハイパスコンデンサというのは、ボリュームを絞ったときに高域がこもるのを防ぎ、それどころかジャキっと強調されるようにするコンデンサです。ハイ(高域)をパス(通す)するという意味ですね。テレキャスターなどのボリュームに付けられていたりします。

 

 

コンデンサという素子を乱暴に説明しますと、直流を通さず交流のみを通し、高い周波数ほど通しやすいという素子、ということになります。コンデンサ内部には2枚の向かい合った導電体があり、その間に絶縁体(誘電体とも言う)が挟まれていて触れ合わないようになっています。その絶縁体がオイルをしみこませた紙の場合はオイルコンデンサ、フィルムの場合はフィルムコンデンサ、セラミックの場合はセラミックコンデンサになり、その他にも様々なものがあります。また構造によっても単板型、旋回型、積層型、電解型などに分かれます。

 

手に入りやすく扱いやすい素材でコンデンサを作るとなると、アルミホイルと食品用ラップ(サランラップなど)を使って旋回型にするのが良さそうです。アルミ箔とポリエチレン系フィルムですので、フィルムコンデンサということになりますね。

 

パッシブギター内部に使用する場合、非常に微弱な電流・電圧ですので耐圧を気にする必要は全くありません。その代わりとても小さな値(pF)を目指すため、作業はひたすら細かいものとなりそうです。世間一般のギター内のハイパスコンデンサは100pF(0.0001μF)~1000pF(0.001μF)が多く(トーン回路用は0.01μF~0.1μF)、私のギターは全て100pFのハイパスコンデンサを使っています。この辺りは音の好みで自由に選ぶべきものですので、まずは100pFを目指すことにしました。

 

こちらはフィルムコンデンサの構造です。

 

TDKによるフィルムコンデンサの構造

 

なにやら難しく思えますが、電極の間の絶縁体にフィルムが使われているだけのもの。2枚のアルミ箔の間にフィルムを挟んで、アルミ箔同士が触れないようにクルクルと巻くだけで完成です。

 

アルミ箔とラップを帯状に切って巻いていきます。しかしこのサイズを全て巻くと0.02μFくらいの容量になってしまいました。目標の100倍近い値です。もっと小さくしなくてはいけません。

 

 

小さいアルミ箔とラップで再挑戦。どうにかアルミ箔同士が触れ合わないように丸め揚げて、テスターで測ります。それでも500pF(0.5nF)。もっと小さくしなくては。

 

 

アルミ箔とラップをほんの少し巻いただけで130pFになりました。写真ではわかりづらいですが、真ん中が少し巻かれています。旋回型フィルムコンデンサはキツく巻けば値が上がるようです。電極同士が接近するからでしょうか。

 

 

出来上がったもののアルミ箔部分に、切り落とした部品の足などをくっつけてタイトボンドで固めてみました。アルミ箔にハンダは付かないのでどうにか固定する必要があるのです。

 

 

数時間経過しても固まりません。タイトボンドは薄く延ばさないと硬化に時間がかかるんですね。

 

 

タイトボンドをあきらめて再製作。巻いたアルミ箔に部品の足を乗せ、糸でぐるぐると縛るときちんと固定できることに気付きました。使用した糸はたまたま手元にあった歯間用デンタルフロスですが、普通の裁縫用の糸で全く問題ないはずです。

 

 

素子をモールドするためにも何かで固めなくてはいけません。購入から10年くらい経過した屋外用金属パテがまだ使えたのでそれで固めてみました。

 

 

硬化後に削って形を整えます。ギターのコントロールキャビティ内に収めるのでできる限り小さい方が良いですからね。

 

 

出来上がったものをテスターで計測し値を書き込みます。目標より大きな値になってしまいましたが、十分許容範囲内ですので良しとしましょう。280pFの方は足の角度によって導通が遮断されるので380pFの方を使いました。足の固定が不十分だったようです。1度固めてしまえば数値に大きな変動は見られませんでした。数日経過しても値は変わらないままです。

 

 

実際にボリューム可変抵抗器の3番端子と2番端子に接続してボリュームを絞ってみると、見事にハイパス効果が表れてジャキジャキと気持ちの良い音が出て感動しました。今回はハイパス用の小さなコンデンサだったので大変でしたが、トーン回路用のコンデンサは0.01μF~0.1μFくらいですのでもう少し製作は簡単になりそうです(サイズは大きくなりますが)。

 

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