2006年3月に「グランドリオン」が完成して以来、7年以上ものあいだ他のギターに触れずその1本だけで全ての活動をこなしておりました。しかし、そのグランドリオンに慣れ過ぎてしまったために他のギターでは思うように演奏できなくなってしまい、ますますグランドリオンを弾くしかなくなるという悪循環に陥り、今後もしグランドリオンに何か有った時に活動が立ち行かなくなる危機感も少しずつ芽生えた頃でした。そろそろもう1本サブギターが欲しいなあと思いまして、Twitterで下記のような投稿をしました。
誰かギター作ってくれる人いないかなあ。
— エンドウ.さん【GEEKS】【月蝕會議】 (@endo_jp) April 10, 2013
すると1人のギター工場勤務の個人ビルダーの方がメッセージを下さいまして、そこから第2のオリジナルギター「チキンナイフ(Chicken Knife)」が完成しました。このギターは完成直後から度重なる修正を繰り返しておりますので、具体的な完成がいつなのかはっきりしません。2013年の終わりにはステージで使っていた記録があります。
やはり本器もベルトバックルの打痕で塗装が剥がれています。
ヘッドのシェイプは「グランドリオン」と同一です。ペグはGOTOH社のマグナムロック。非常に使いづらいペグで、この選択には後悔しています。
インレイは不要なので全く無しにしました。
ブリッジとテールピースはネジでロックできるToneProsにしてみましたが、よくよく考えれば通常のブリッジにイモネジを搭載すれば同じものを作れるのでこれ以降のギターではロックシステムを自作しています。フロントP.Uの特殊エスカッションは、パッと見たときにハムバッカータイプのように見えるように設計し、アンプシャーシでもお世話になったお馴染み「箱屋」様に特注しました。
こちらのコントロールパネルも箱屋様に製作して頂きました。演奏性に関わるのでピックアップとブリッジ、そこからトグルスイッチ・ボリュームまでの距離や位置関係はグランドリオンと全く同じにしてあります。
ステージでは1年弱しか使っていませんでしたが、すっかり塗装も剥がれました。
大切なグランドリオンは自宅での音楽制作に移動とし、しばらくは本器をステージのメインギターとしていましたが、第3のオリジナルギター「メギドファイア」登場により本器は現在死蔵中です。
以下、本機の主要な仕様です。トラスロッド材質とペグ以外はグランドリオンと全く同じ仕様となっています。
・セットネック(マホガニー)
・指板はエボニー
・ホイールタイプトラスロッド(チタン製)
・ネックにはカーボンサポートロッド
・ステンレスジャンボフレット
・ホンジュラスマホガニーバック、メイプルトップ
・ヘッドにはレスポールと同様の角度あり
・ネックとヘッドの間にボリュート加工
・セットネック箇所はSNカット(ヒールレス)
・フロントP.UはDP172、リアP.UはSH55b
・ペグはGOTOH マグナムロックペグ。
・ブリッジはTune-O-matic、サドルはグラフテック。
・ナットはニッケルシルバー
・フロントP.UにはハイパスVol(100pF)、リア.P.Uはトグルスイッチ直結
・ストラップピンはDimazio社のCliplock
こちらは製作中に職人様より頂いた途中経過写真です。
まだネックは「木材」の状態
こちらはイメージ。レスポールよりも一回り小さいボディ形状にしてあります。
バインディングはこの段階で完了しています。
こちらはホンジュラスマホガニーの端材など。高級銘木なので切れ端も一応保存してあります。
指板材はエボニー(黒檀)ですので端材で箸を作ってもらいました。しかし勿体なくていまだに使用できずにいます。チタントラスロッドの両脇にカーボンサポートロッドが入っています。
指板を貼り終えたネック。
ボディとネックが接合されました。
こういうクランプでガッチリと挟み込んで接着するんですね。
フレットを打ち込み終わった段階。
ネック裏側。
塗装に入ります。
裏側の塗装。
クリアを吹く前にロゴ類を入れます。
完成時、グランドリオンとの比較。